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「初プレイゲームブック」アンケート@ツイッター

数日前(2016年9月1日〜3日)、ツイッターにて「初めてプレイしたゲームブック(及びタイトル)」についてのアンケートを実施した。ご投票およびリプして下さった皆様、誠にありがとうございました。深くお礼申し上げます。
https://twitter.com/a2cmyarn/status/771179085120712704

アンケートは仕様上最大4択であり、どういう選択肢にするか大いに悩むこととなった。出版社別も考えたもののブーム当時は結構な数の版元がゲームブック(以下GB)刊行に携わっており、4種ではどうにも収まりきらない。
とりあえずブーム当時、人気のあったと記憶するプロダクトラインを「ファイティング・ファンタジー系」「グレイルクエスト(ドラゴンファンタジー)系」「エニックス(ドラゴンクエスト)系」に分類し、それ以外を「その他」としてザックリ纏めてしまった。この辺もうちょっと上手いやり方がなかったかと反省しきり…。

★★★★★
以下、お寄せいただいた当該GBタイトルを集計してみた。ご笑覧いただければ幸甚。

【ファイティング・ファンタジー系】28%

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社会思想社「火吹き山の魔法使い」13票
社会思想社「運命の森」4票
社会思想社「バルサスの要塞」3票
社会思想社「死のワナの地下迷宮」3票
社会思想社「トカゲ王の島」1票
創元推理文庫「スティーブ・ジャクソンのソーサリー(巻不明)」1票
創元推理文庫「スティーブ・ジャクソンのソーサリー 魔法使いの丘」1票
創元推理文庫「スティーブ・ジャクソンのソーサリー 城塞都市カーレ」1票
創元推理文庫「スティーブ・ジャクソンのソーサリー 王たちの冠」1票

…やはり本家の風格か、『火吹き山の魔法使い』(84年)がダントツの結果となった。リビングストン描く前半のスリリングな潜入行・ジャクソン描く後半の大迷宮の奇跡的融合に、エンターテイメントの新時代を感じた方も多かったのではなかろうか。店頭でそれほど大きなキャンペーンを張っていた記憶はなかったが、いつの間にか自分の周りでユーザが増えていたのは、やはり口コミの強さだったのだろうか。
「ソーサリー!」(85年〜)を途中から始められた方もおられたが、考えたらどのタイトルも単独の冒険行として十分遊べる作りだ。すげえ。

【グレイルクエスト(ドラゴンファンタジー)系】7%
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二見書房「暗黒城の魔術師」2票
二見書房「七つの奇怪群島」1票

…比較的早い時期(85年)にスタートし、GBブーム勃興の波を受けてか書店で見る機会も多かった。新書版のたっぷりしたボリュームはたのもしく、フーゴ・ハル氏のおどろおどろしいジャケ絵に誘われるように、自分も1巻『暗黒城の魔術師』を買った。こちら側に踏み込んでくるような文章スタイルは中々癖が強く、事象を淡々と描写するFFシリーズのそれとは好対照で、今でもファンが多いのもよく分かる気がする。

【エニックス系】22%

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エニックス「ゲームブック ドラゴンクエスト(シリーズ不明)」2票
エニックス「ゲームブック ドラゴンクエストII(巻不明)」1票
エニックス「ゲームブック ドラゴンクエストIII そして伝説へ〈上〉勇者旅立つ」1票
エニックス「ゲームブック ドラゴンクエストIV(巻不明)」1票

…88年というブームもひと段落したあたり、GBを刊行する出版社としては最後発だったエニックスだが、国民的ソフトを堂々と掲げた本書は、若年層への訴求は鉄板中の鉄板だった。ソフト入手難の続いていた「3」の代替として、初めてGBというものを手にされた方もおられたかと思う。
いずれにせよ、GBの灯火を96年(!)まで永く燃やし続けたのは素晴らしい事績である。今でも「8」とか「X」を上梓したら結構イケるんじゃないかと思うんだけど。

【その他】43%
ポプラ社「ポプラ社の小さな童話 にゃんたんのゲームブック」5票
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…5票という高い得票数は、GB(パズル本・クイズ本含む)が児童に読書を親しんでもらうための布石として有用であり、本書がその需要を果たした証左であると言える。表題作『にゃんたんのゲームブック』(87年)は未プレイだが、書評を読む限り様々な仕掛けを凝らした良作である模様。読みたい。

双葉社「高橋名人の冒険島-ティナを救い出せ!」1票
双葉社「スペース・ハリアー -ホワイトドラゴンの勇者」1票
双葉社・宝島社(いずれか不明)「リンクの冒険」1票
双葉社・勁文社(いずれか不明)「アルゴスの戦士」1票
小学館コロタン文庫「スーパーマリオ冒険ゲームブック」1票
JICC出版(宝島社)「迷宮組曲-新ミロンの冒険」1票

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…バブル期だったとは言え、あの頃のファミコンソフトの値付けはメチャクチャだった。光栄のSLGとか当たり前みたいに万越えしてたし、好景気とは言えそんなもんポンポン買い与えられる家庭もそうある訳でもなかった…と思う。双葉社「ファミコン冒険ゲームブック」(86〜92年)レーベルなど、ファミコンGB諸作品が好評を持って迎えられ、永らく親しまれたのは至極もっともなことだった。

双葉社「ルパン三世/さらば愛しきハリウッド」1票
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…85年というこれまた早い時期から参入した双葉社の人気シリーズ1作目。GBブームとしては末期の91年まで、なんと19作も続いたという事実は凄まじいものがある。

学研ジュニアチャンピオンコース「きみならどうする?(タイトル不明)」1票
学研ジュニアチャンピオンコース「きみならどうする? ゆうれい屋敷の冒険」1票
バンタムブックス「Choose Your Own Adventure(きみならどうする?)『ザ・ミステリー・オブ・ウラ・センケ』」1票

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…1980年に学研から翻訳刊行された、まさにゲームブックの嚆矢と言える海外作品(ウラセンケは未訳。コレが初めてだったという方もすごい…)。本シリーズを挙げられた方は、恐らく私と同学年かもう少し上のお兄さんであろう。私事ながらジュニアチャンピオンコースシリーズは怪奇系の児童書が多く、ビビリの私は怖がってなかなか手を出さなかった。だもんで『きみならどうする?』も読んだことがない(笑)

秋元文庫「エスパーゲームブック 超能力者奪還せよ!」1票
角川書店「アドベンチャーゲームブック 魔界水滸伝」1票
西東社「シミュレーション・ブックス2 スーパーアクション・ゲーム ウォー・ゲーム」1票

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…当時のGBブームに乗って書店に置かれていた作品群で、特に西東社のゲームブックは「完全犯罪ゲーム」などの独特のアナーキーなタイトルが多く、チープなペーパーバック感と相まって妙に記憶に残っている。

朝日ソノラマ「ハローチャレンジャーブック 騎士ローラン 妖魔の森の冒険」1票
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…『火吹き山』邦訳に先立つ(!)国産作品で、普通の少年が危険な冒険に赴く幻想譚。タイトルを教えて頂いた時、本書を存じない旨をリプさせていただいたのだが、ググってみると…なんとなく表紙に見覚えが…本屋で見たんだったかなあ? 失礼しました。内容的には興味をそそられるので、機会があったらプレイしたい。

★★★★★
わずか3日間のアンケート期間ではあったが、多くの初プレイ作をお教えいただき、皆さんのGBというジャンルへの思い入れの深さを感じずにはいられなかった。
自分も同じ興奮を共にした一人として、その記憶を大事にしていきたいと思う。
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ストームブリンガー・ハウスルール:デーモンと人間との合体

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学生の頃、あまりにも暇なのでつらつら考えたデーモン+人間のフュージョン用ハウスルールの草案。元ネタはもちろんデビルマン(とカオスヒーロー)。原作でもエルリックの寝床を襲った人間もどきみたいなデーモンがいたが、こんな奴らかも知れない…と勝手に妄想する。
まあいかにもな厨二ネタだが、折角なので備忘録程度に認める次第。

【デーモンとの合体】
「地獄の公爵」のともがら足らんと願う者。単に強大な力を欲する者。あるいは邪悪な魔術師の実験台にされた不運な者。実験の犠牲者は致し方ないとして、彼らのうち最も愚かしく、最も狂った者こそが、贖いきれない代償を支払ってでも妖魔と合体しようとする。
その多くは無残な死を遂げ、またはうつろな廃人と化すが、精神と肉体双方が壮健な者のみが妖魔の力を我がものとすることができる。
しかし、ありえないほどの奇瑞に恵まれてさえ、一瞬たりとも気を抜くことはできない。その一生は業火の上を綱渡りするようなものであり、混沌の原質は常にその魂を汚染しているのだから。

⚫︎デーモンの召喚
デーモンの召喚手順は通常通りである。合体者自身が召喚しても、他の召喚士の手を借りても構わない。デーモンの能力は己のものとしたい魔力を持つものである様、入念に精査する必要がある。

⚫︎デーモンの封印
デーモンとの合体を望む人間は、事前に刺青や傷、焼印などで容易には消えない混沌の紋章を体のどこかに刻んでおく必要がある。
その上で己の肉体を触媒にデーモンを封印させるため、POW対POWの抵抗ロールを行う。封印は必ず「永久封印」となる。
ただし、デーモンが肉体と精神に浸透してくる体験は耐えがたいほどにおぞましく、異質で、苦痛を伴うため、抵抗ロールの際、合体者のPOWは通常の1/2(端数切り上げ)となる。
抵抗ロールに打ち勝ったとしても、デーモンの異界の体組織は合体者の肉体に深刻な拒否反応を引き起こす。合体者は直ちにCON×5のロールを行い、失敗した場合には急激なチアノーゼに陥りそのまま死亡する。死体は混沌に汚染され、ねじれ、溶解し、異様な色彩の粘液にまみれた醜悪な形状に変容する。
こうした厳しい試練をくぐりぬけ、POWを3点喪失したのち、ようやく合体者はデーモンを自分の肉体に「取り込む」ことができる。

POW対POWの封印ロールに失敗すると、デーモンは合体者を食い殺すか、そのまま身体を乗っ取るか、元の次元界に逃げ帰る。
身体を乗っ取ったデーモンは、その場に合体者の仲間がいれば、可能な限り攻撃を行う。仲間が強力な様であれば、巧妙に事実を隠蔽し暫く行動を共にする。あるいは誰もいなければ、忽然と姿を消し、その後の行方は杳として知れない。
デーモンが逃げ去った場合、合体者は(通常通りPOWを3点喪失した後に)〈幸運〉ロールに成功しない限り、癒しきれない精神的ダメージを負いその後の一生を廃人として過ごさなくてはならない。また、身体のどこかに隠しきれないおぞましい痕を残す。

⚫︎自発的封印
デーモンが(そんなものがあったらの話だが)何らかの意図により自ら望んで封印される場合、あるいは混沌の神の褒賞として与えられる場合は、上記の手順を踏む必要はなく、拒絶反応も起こらず合体者との融合を果たす。この時には異様な快楽が伴うため、合体への耽溺すら起こりうる。
しかしながらPOWの喪失は避けられず、封印後に3点減らされる。

⚫︎デーモンの魔力
デーモンの魔力は合体者が望んだ時に機能する。「蝙蝠の翼」「大耳」「鳥の翼」「複眼」「昆虫の羽」「毛虫の脚」「鉤爪」「眼柄」「レンズ」「被膜形態」「口」「蛞蝓の脚」「鼻」「蜘蛛の脚」「毒針」「触手」「肉の壁」などの人間のものと明らかに異なる器官は、合体者が望んだ場所に生えてくる。そのような器官は通常固定されたままとなり、見るも恐ろしい姿となるが、INTが10以上ある自己の形態を変えられるデーモンであれば、普段は通常人と変わりない姿を保ち、必要に応じてそうした器官を形成することができる。その場合、失った手足や四肢などの代用にも使うことができるが、魔力を使うために器官形成した場合には、そうした義肢は縮んで萎んでしまう。
その他「電撃」「火炎放射」「ダート」など、器官形成を必ずしも必要としない魔力の発現については、合体者に任せられる(「火炎放射」は口から噴きだされる、「麻痺」は相手を引っかいたり噛みついたりした時に機能する…など)。

⚫︎デーモンとの合体によるPOWの増加
POWが合体者のものより大きいデーモンを取り込んだ場合、POWの成長ロールを行うことができる。ただし、デーモンが自ら望んで封印されたり、褒賞として与えられた場合にはそうした成長ロールは発生しない。

⚫︎デーモンの封印限界
合体者が融合できるデーモンは1体のみである。

⚫︎必要物
合体者は少なくとも1週間に1回、デーモンの必要物を摂取あるいは行動しなくてはならない。これを怠った場合、1日を経過するごとに、あらゆる技能ロールが半減(端数切り上げ)する。

⚫︎異界の呼び水
合体者は身心ともに混沌に汚染される。セッションの終了時、POW×1ロールに成功しない限り〈混沌〉のアリージャンスが1d8増加し、〈法〉〈天秤〉のアリージャンスが1d6ずつ減少する。これにより合体者はしだいに無法になり、無慈悲な存在へと堕落していく。
また、合体者は明白な〈法〉の敵対者となり、少なくとも混沌が禁忌とされる国家においては抹殺対象とされ、多くは法の戦士の刺客が差し向けられる事となる。

ストームブリンガー・原作登場人物のデーモンアイテム

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旧版「ストームブリンガー」第4版(未訳、1990年、ケイオシアム刊)は初版のルールに加えて、サプリメント「ストームブリンガー・コンパニオン」で追加された原作の登場人物、モンスター、風変わりな宝物などが記載され、さらにまったく異なった魔法ルールが制定された、旧版ルールの集大成と言える一冊である(ただし、未訳サプリ「White Wolf」収録の船舶ルールなどは未掲載)。
本書のコンテンツのひとつ「エルリックと同時代の人々」は、主役のエルリックを含む原作キャラの能力値や技能値が大公開された、(初版から収録されている)ファン垂涎のコーナーだ。
内容は大まかに初版から引き継いでいるものの、どんなデーモンアイテムを所持しているかが(能力値付きで)判明した。セレブ・カーナが復讐に燃えるエルリックから逃げ回るために使ったデーモンがどんな奴か、これで明らかになったわけだ。
すでに「コンパニオン」で追加されたキャラは所持デーモンが(名前付きで)記載されていたのだが、初版基本ルールに記載されていたキャラの所持デーモンはこれが初出だった。仔細は不明だが、ディヴィム・スロームとかのデーモンの名前が分かるのはこの第4版のみ(後継たるシステム「エルリック!」や「ストームブリンガー第5版」にもデーモン名は併記されていない)だし、なんとなく埋もれさすのも惜しい気がするので、一部「コンパニオン」との重複はあるものの簡単に記し留めておきたい。

●ディヴィム・スローム
…最後の戦いを共にするエルリックの従弟。デーモンは馬関係が多いが、どちらかというと竜に騎乗するラストシーンの方が印象的。
・デーモンウォーホース「スウィフトストライド」(「速き足取り」ほどの意)
(外見)巨体の見目よい去勢馬
・デーモンアーマー「ドラゴンスケイル」(竜鱗)
(外見)一般的だが、少しばかり風変わりなメルニボネ式プレートアーマー
・デーモンホースバーディング「キャラペース」(甲殻)
(外見)メルニボネ流の黒い金属製の馬鎧
・デーモンサドル「ホールドタイト」(「堅き縛め」ほどの意)
(外見)素晴らしい刺繍の入った高品質の革製の鞍。鞍袋に弓と剣の鞘が付いている

●デヴィム・トヴァー
…竜洞の支配者にして結構な苦労人。斧はセレブ・カーナ戦で使ってたような気がするが、盾はどうだったかなあ?
・デーモンアックス「ドラゴンホーン」(竜角)
(外見)よく磨かれたシーアックスで、非常に尖った長い竜骨の突起が取り付けてある
・デーモンシールド「ファイアハイド」(「火影」ほどの意)
(外見)中央の悪魔めいた顔から放射状に炎の矢が伸びている長方形の盾

●ジャグリーン・ラーン
…ツメの甘いラスボス神政官。ファーストバトルでストームブリンガーの一撃すら受け止める円盾や鎧が強く印象に残る。ただデーモンの能力的には多分あれで全部削れてるはずなので、エルリックにとどめを刺さず戦場に戻ったのは相当ヤバかったからに違いない(笑)
・デーモンアックス「スプリッター」(「分かつもの」ほどの意)
(外見)巨大な戦斧
・デーモンソード「リッパー」(「切り裂くもの」ほどの意)
(外見)一般的な鋼鉄のブロードソード
・デーモンアーマー「セイバー」(「救命するもの」ほどの意)
(外見)灼熱して赤く輝くプレートアーマー
・デーモンバックラーシールド「ブロッカー」(「阻むもの」ほどの意)
(外見)混沌の矢が描かれた、血の赤の色をした盾
・デーモンスティード「ストライダー」(「馳せるもの」ほどの意)
(外見)醜い無毛の馬めいたもの
・デーモンドア「クローザー」(「閉ざすもの」ほどの意)
(外見)これはジャグリーン・ラーンの寝室へと続く扉である。外見は普通のドアである
・デーモンリング「ファインダー」(「見出すもの」ほどの意)
(外見)透明なガラス球の付いた指輪
・デーモンコンキュバイン(愛妾)「ル・アイル」
(外見)姿が一定しないが素晴らしい美形

●ドクター・ジェスト
…メルニボネの拷問芸術家。イルムイル陥落後の行方は不明なので、故人を惨殺された依頼者がジェストの足取りを追うようPCに依頼する、なんてシナリオも面白いかもしれない。デーモンアイテムは原作には出てこないが、まあそれっぽい感じ
・デーモンラック「ラック」(拷問台)
(外見)陰惨な、血の飛び散った拷問台
・デーモンスカルペル(メス)「パーシュエイダー」(「説得するもの」ほどの意)

●メイガム・コリム
…なんか印象の薄いメルニボネの提督。カマス頭のヤリは出てきてたような…。
・デーモンスピア「バラクーダ」
(外見)標的に噛み付く、オニカマスに似た穂先を持つロングスピア
・デーモンアーマー「ウェイブキング」(「波濤の王」ほどの意)
(外見)波をモチーフにした幻想的なスカラップ(波形模様)のプレートアーマー。3体の風の精霊が封じられ、着用者が水面下に落下しても活動することができる

●ムーングラム
…剽軽な小男の「英雄の介添人」。ルールブックではブサイクブサイク言われるのが気の毒。超重要な人物だが、天野喜孝の挿絵では後ろ姿しか出てこなかったのが残念。ムーングラム自身は魔法を極端に嫌がっていたので、両刀のデーモンウェポンは最終巻でセピリズが細工したやつのはず
・デーモンシミター「カッター」(「斬るもの」ほどの意)
(外見)ありふれた、磨滅した円月刀
・デーモンショートソード「スティッカー」(「突き刺すもの」ほどの意)
(外見)ありふれた鋼鉄製のショートソード

●ラッキール
…スピンオフで主役も張った「赤き射手」。第1巻の豪快キャラから一転、最終巻の気苦労の多さでかなり気の毒なキャラになった。デーモンウェポンはラムサーにいじってもらったやつだっけ? よく覚えてないな〜
・デーモンボウ「シュアショット」(「必中させるもの」ほどの意)
(外見)極めて美しい複合弓
・デーモンアロー(8本)「デスブリンガーズ」(「死をもたらすもの」ほどの意)
(外見)赤い矢羽の付いた矢

●サクシフ・ダン
…恋仇の乗る馬にビビりまくっていたメルニボネ最強の魔導士。うーん、デーモンウェポンも馬もよく覚えてないなあ
・デーモンソード「ブラッドシーカー」(「血を求めるもの」ほどの意)
(外見)波打つ刀身のブロードソード
・デーモンスティード「ブライトフライヤー」(「輝き跳ぶもの」ほどの意)
(外見)このデーモンの封印物は翼に囲まれた混沌の印を持つ護符である。デーモンの真の姿は獅子の頭部と羽根を持つ馬として現れる

●セレブ・カーナ
…愛に生きたあげくエルリックに新王国じゅう追い回されたパン・タンの魔導士。逃げ足の速さはこのデーモンアイテムあってこそだが、あの最後でなぜ使わなかったのか分からない。品切れしていたのだろうか
・デーモンリング「クイックムーブ」(「素早く移動するもの」ほどの意)
(外見)巨大な真珠の嵌められた親指の指輪
・デーモンボディガード「ロントール」
(外見)肥った、豚頭の人間
・デーモンボディガード「キークス」
(外見)両手と巨大な針を持つ昆虫めいた生き物

●イイルクーン
…叛逆の従兄どの。死後「コルム」に登場して永遠の責め苦を受けているらしい描写が笑った。エルリックと同じく「黒の剣」所持者としての印象が強く、下記のようなデーモンアイテムは原作に出てこなかったはず。まあエルリックの上を行く術者、という設定なので持っていてもおかしくはない感じかしらん
・デーモンソード「ガットスライサー」(「はらわたを薄切りにするもの」ほどの意)
(外見)長大でちらちら光るグレートソード
・デーモンダガー「バックスタバー」(「背中に突き立てるもの」ほどの意)
(外見)月並みな湾曲したダガー
・デーモンアーマー「グラニットスキン」(「花崗岩の外皮」ほどの意)
(外見)胴体部分は非常に湾曲した銀色のデーモンの顔をかたどっており、イイルクーンの四肢はギラギラ輝く銀の板金に包まれている
・デーモンスティード「ジールナット」
(外見)通常は紫色だが、角度によって色違いに見えるイボだらけの肌を持つ
・メイドサーバント(女給従者)「マイルス」
・サッチェルガード(鞄の守護者)「グリッズル」(「不平屋」ほどの意)

(外見)このデーモンはイイルクーンの鞄の中に侍り、もっとも重要な貴重品を護り続けている
・デーモンショートソード「キドニーゴウガー」(「腎臓えぐり」ほどの意)
(外見)黒ずんだ鋸刃のショートソード

80年代パソコンゲーム雑誌とTRPG

以前のトピックでも申し上げたように、私がRPG趣味を本格的に始めたのは「コンプティーク」(角川書店)のロードス島戦記D&Dリプレイだが、さっき思い出したところ、さらに源流を辿ればおなじくパソコン雑誌の「ログイン」(アスキー刊)の存在があった。
ログインは一応PC総合情報誌のテイを取ってはいたが、当時のアスキーの面白主義が全開で、PCカルチャーのトレンド(AmigaとかMacintoshとか)から最先端のPCゲーム(ウルティマⅣとかハイドライドとか)、PCとは全く関係のないイカれたバカ記事まで広汎に扱う鵺のような雑誌で、サブカル感度の高い読者に熱狂的な支持を得ていた。
コラムページの充実ぶりもすさまじく、すでに現物がないのでウロ覚えだが、まだグループSNEを創設する前の翻訳家(という肩書きだったと思う)・安田均氏が海外ゲームを紹介する記事を持っており、そこでPCファンタジーゲームの源流である「会話形態のホビー」に触れられていた。時期的にはSFRPG「トラベラー」の日本語版が出た頃だっただろうか。
すでに「火吹き山の魔法使い」でファンタジーRPGというもののディテールはなんとなく掴んでいたが、まだまだ人口に膾炙していたとは言い難く、海の向こうの盛り上がりを伝える安田氏のコラムから発信される、まだ見ぬ想像遊戯の世界にはゾクゾクさせられた。
そういえばログインの名物編集者たちが、アスキーの社屋を舞台に(やたら精巧な)鎧を着込み武器を持ち、会社のどこかに隠された財宝を求めて冒険する特別企画もあった。いい大人が本気でバカをやるいつもの姿勢には相当笑かして貰ったが、よく考えたらあれはジェンコン(アメリカにおけるゲームコンベンションの元祖)などでよくプレイされていたライブアクションロールプレイ(LARP)なのだった。雑誌企画として取り上げられ、実際にプレイされたのは本邦初ではあるまいか。

世は「ウィザードリー」「ザナドゥ」「ザ・ブラックオニキス」「夢幻の心臓」などといったファンタジーPCゲーム百花繚乱時代で、ゲーム中敵として登場する「オーク」「コボルト」と言った、日本人にはなじみの薄い西洋妖怪の紹介を皮切りに、その大元たるTRPG(この奇妙な呼称は当時は用いられていなかったが)自体を取り上げて行ったのが、当のPC雑誌であったのは道理だった。「ポプコム」(小学館刊)では柳柊ニの異形感たっぷりな挿絵でファンタジーRPGのモンスター紹介記事が連載されていたのを覚えている(のちに書籍化された)。ちなみにこの記事ではザナドゥに出てくるモンスターが多かったが、今ではその元ネタ…というかパクリ元が「アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ」モンスターマニュアルであったことは有名な話であり、つまるところ期せずしてD&Dモンスターのイラスト集になっていたと言える。もちろんTSRにスジなど通してはいまいが。

もちろんTRPGへのアプローチはPC雑誌のお家芸だけではなく、80年台中盤あたりから「タクテクス」(ホビージャパン刊)「シミュレイター」(翔企画刊)「ウォーロック」(社会思想社刊)「ドラゴン・マガジン」(新和刊)と言った本家本元が刊行する雑誌群がいっせいに芽吹き始めてはいたのだが、なにぶんホビー文化後進国たる北陸の僻地、そうした雑誌の書店流通もごく僅かで、情報に触れる機会が限られるという事情もあった。
そんな中、比較的手に取りやすかったパソコン誌は筆者にとってTRPGのことはじめであり、ユーモアたっぷりに繋いでくれた「ログイン」はなんとも忘れられない雑誌である。
この記事を書くために当時の「ログイン」と「コンプティーク」が一冊くらい欲しかったのだが、古書価がビックリするような値段だったので涙を飲んだ。とっときゃよかったなあ…

地獄の館

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『だが死体はいくら探してもみつからなかった』

他のゲームブックと比較して「ファイティング・ファンタジー(以下FF)」がひときわ強い印象を残すのは、どこか乾いたユーモアと、晴れることのない暗鬱さが常につきまとっているからではなかろうか。
たとえば『火吹き山の魔法使い』で監禁された「君」を監視するうつろな死者(ゾンビー)たち。『バルサスの要塞』の絶対的存在である邪霊ガンジー。『盗賊都市』冒頭の魔犬たち。そして煮られ、焼かれ、潰され、切り刻まれる「君」の死にざま。命に関わる存在から無害なものまで様々だが、いずれも理不尽でぞっとする奇妙な余韻を残す。
常に曇天の英国の人であるジャクソンとリビングストンの土性骨によるものかは分からないが、FFの冒険には陰鬱さと恐怖という指向性があることは間違いない。

『カーテンを全開した。人間のような姿が進み出た』

「地獄の館」はFFシリーズ10作目、1984年(日本語訳は1986年)に発表された、いわゆるモダンホラーを扱ったゲームブックである。
もともとはゲーム雑誌「ウォーロック」に掲載された作品をリライトしたものだった。どのような経緯で本作がデザインされたのかは分からないが、ファンタジー以外のゲームブックの多様性を模索した結果であろうことは想像に難くない(非ファンタジーのゲームブックはFF4作目「さまよえる宇宙船」というSF作品で早々に上梓されていた)。
物語は雨の夜にドライブしていた、現代の一青年である「君」が道に迷った所から始まる。不意に出てきた老人をはねてしまった。慌てて老人の姿を探したものの、その姿は跡形もなく消え失せていた。不審がる間もなく、運転していた車が故障してしまったのを知り、激しい雨の中で立ち往生してしまうが、その時遠くに明かりが灯った。
そこは廃屋寸前の邸宅だった。
電話を借りようと扉をノックした「君」の恐怖の一夜が幕を開ける…

『そこにいるのは誰だ?』

じつに直球な恐怖譚で、序盤からグイグイ引き込まれるような加速感を伴いつつ展開していく。物語のボリュームはそれほどでもないのだが、ちょっとした選択ミスでたちまち陥ってしまう、理不尽としか言いようのない罠の連打で初回はあっという間に無惨な死を遂げる事だろう。
それだけでは只のクソゲーだが、館のいまわしい雰囲気やポイントを押さえたショックシーンのディティールが秀逸で、根性が悪いとしか言いようのないデッドエンドの多さと、本作独自のルール(恐怖シーンに遭遇するたび〈恐怖点〉が加算され、一定量に達すると発狂しゲームオーバー)による激辛な難易度にもかかわらず、なぜだか「先を読み進めたい」と思わせる不思議な魅力がある。
とりもなおさず、これは恐怖というものの本質である『未知への不安』と、トリッキーな選択(パラグラフ)の先を知りたいと欲する『未知の解明』とがすばらしい融合を果たし、ゲームブックという没入システムを使って読者に提供しているからではないだろうか。
この記事を書くために久しぶりに本書を紐解いたが、徹底した「君」の視点で恐怖の館を彷徨う物語の緊張感は異常なほどで、改めて本書のポテンシャルの高さに舌を巻いた次第。まあ、筆者がけっこうなビビリだというのもあるが…。

『君の苦闘は実を結ばなかった』

かように恐怖とゲームブックは親和性が高く、ホラーの比重を高くしたゲームブックも数多い。FFでは「ナイトメア・キャッスル」や未邦訳の「ゾンビの血」、和製伝奇ホラー「送り雛は瑠璃色の」などがあり、創元推理文庫だとクトゥルフものの「暗黒教団の陰謀 輝くトラペゾヘドロン」とか。ホラー映画原作の「ガバリン」なんてのもあったな。
しかしながら…玉石混淆と言うか、本書のような水準を保った作品はあまり見かけなかった気がする。
恐怖譚を紡ぎ、なおかつ「ゲームブック」という仕掛けに落とし込むには高い技量が必要であることの証左かもしれないが、ホラー(およびゲームブック)ジャンルのいちファンとしては、またそんな幸福な読書体験をしてみたいと切に願うものである。

『地獄の館には ーと、君は思うー ふさわしい最後だ』
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